お知らせ
2025.09.28
空き家の鳥被害② 特定空き家の問題
全国で増え続ける空き家問題。
当コラムでも以前、空き家に関する鳥被害情報を掲載しましたが、とりさぽへのご相談件数は増え続けています。
空き家とは、住人が1年以上住んでいない、または使用されていない家を指しています。
判断する基準としては、人の出入りや、電気・ガス・水道等のインフラ設備の使用状況、その家の管理状況、所有者の利用実績などが挙げられます。
そうした空き家では、人の目が届きづらく、鳥被害が発生しやすい環境になります。
空き家は、雨風を凌ぎやすく、また外敵からも身を守りやすい為、鳥が営巣しやすいです。
鳩やカラス、スズメなどの鳥たちが空き家に巣を作ることで、様々な被害が発生する可能性が高くなります。
今回の内容は、その中でも特に問題になっている『特定空き家』について、まとめました。
空き家の所有者の方や近隣に空き家のある方、既に鳥被害が発生している空き家の近隣住民の方のご参考になれば幸いです。
【目次】
① 特定空き家とは
② 特定空き家の問題
③ 空き家で発生する鳥被害
④ 鳥被害によって発生する空き家トラブル
⑤ まとめ
① 特定空き家とは
特定空き家とは、2015年に施行された「空家等対策特別措置法」に基づき、放置した場合の倒壊の恐れや衛生上の有害、景観の損害など、周辺の環境に悪影響を及ぼす可能性があると判断された空き家のことです。
市町村などの自治体から特定空き家に指定されると、行政からの是正勧告や命令、改善されない場合は行政代執行による強制解体や、住宅用地特例の除外による固定資産税の引き上げなどの措置が取られる可能性があります。
◎空家等対策特別措置法とは
空家等対策特別措置法とは、増加し続ける空き家問題に対応する為、2015年に施行された法律です。
周囲の環境に悪影響を及ぼす「特定空家」の指定や所有者への管理義務化、倒壊の恐れがある特定空家に対する「行政代執行」など、国・市町村・自治体による空き家対策を推進するものです。
2023年には、状態が悪化する前の空き家への予防的対策を強化するため、管理不全な空き家が「管理不全空家等」として指定できるようになり、これでも固定資産税の税制措置が解除されるよう改正されました。
② 特定空き家の問題
特定空き家で問題となっているのは以下のような被害が発生する可能性が高い為です。
・倒壊の危険
家屋や建物の倒壊、部材や建具の飛散により、近隣住民の安全が脅かされます。
・衛生問題
ゴミの放置等により、悪臭が発生する可能性や害虫・害獣が発生する原因になる可能性があります。
近隣住民の健康や生活環境が悪化します。
・景観の悪化
放置された家屋や建物・敷地は景観を損ない、周辺地域の美観を低下させます。
・病気の媒介
発生した害虫や害獣、鳥類が持っている病原菌が感染症の原因となる可能性があります。
また特定空き家の管理者には、下記のリスクと罰則が課される可能性があります。
・行政、自治体からの指導・勧告
現状の改善を行政・自治体から求められます。
・行政代執行
改善されない場合、自治体が強制的に空き家の解体や撤去、剪定などを行い、その費用が管理者・所有者に請求されます。
・固定資産税の優遇措置の解除
住居が建っている土地に対する固定資産税の優遇措置対象から外され、翌年から固定資産税・都市計画税の負担が大幅に増加します。(
上記のように、管理が不十分で建物が倒壊する危険性や衛生上の問題、景観の悪化など、周辺環境に影響を与えている空き家が増加し、社会問題となっています。
③ 空き家で発生する鳥被害
◆糞害
空き家には、人の目がつきにくい為、鳥が巣を作りやすい環境となっています。
・屋根
・ベランダ
・軒先
・雨樋
・カーポート
・室外機
など、雨風が凌げる場所に鳩やカラス、スズメなどの鳥がその場に留まることで、鳥の糞が溜まりやすくなります。
鳥の糞は、建物は周辺環境の景観を損ねると共に、呼吸器疾患や結膜炎を引き起こす可能性がある感染症の病原菌が潜んでいる可能性があります。
他にも多くの病原体が含まれているといわれており、鳥の糞が原因で重篤なアレルギー症状を引き起こす可能性もあります。
さらに感染症の多くは、乾燥して空気中に漂う可能性があり、仮に糞の粒子を吸い込んでしまうと感染する可能性もあり、近隣住民の方の健康を害する可能性があります。
また鳥の糞が溜まることと、建物の建具を腐食させたり、劣化に繋がります。
それが原因で、建物の倒壊や崩壊に繋がる危険性もあり、周辺住民の安全を損ねる可能性があります。
◆衛生問題
上記の糞害のほか、鳥や鳥の巣・糞にはダニや寄生虫が潜んでいる可能性があります。
特に問題となっているのは、鳥の巣に潜むダニ(トリサシダニ)です。
ダニはご存じのとおり、とても小さな生き物です。
空き家に隣接するの住宅まで侵入する可能性があり、仮に侵入されてしまって場合、刺された人は非常に強い痒み等を引き起こします。
さらにダニ(トリサシダニ)が原因になっていることに気づくのが遅れると、近隣住宅・施設までもダニ(トリサシダニ)の温床となってしまい、更に被害が拡大し、その対応までしなければいけなくなる可能性があります。
◆騒音被害
鳥が住み着いたり、留まることで、巣にいるヒナの鳴き声や留まっている鳥たちの鳴き声が騒音となり、トラブルの原因となる可能性があります。
騒音は周辺住民の方の生活に支障をきたしたり、睡眠障害の原因にもなります。
特にヒナは昼夜問わず鳴き続ける為、深夜の睡眠を害されます。
騒音被害は、周辺住民の方が直接的に気付きやすく、多くの方の迷惑となる可能性が高い被害です。
④ 鳥被害によって発生する空き家トラブル・問題
◆近隣住民とのトラブル
空き家では、上記のようなトラブルが原因となり周辺住民との対人トラブルとなるケースが数多く発生しています。
空き家は所有者・管理者が遠方に住んでるケースも多く、被害に気づくのが遅れやすいです。
鳥の飛来を見かけたや、鳴き声がする程度の比較的軽微な状況で気づくことができれば、大きな被害につながる前に対策できる可能性が高いです。
ですが、上記の様に直接的な被害が発生し、周辺住民の方にまで被害が及んでしまうと対人トラブルに繋がってしまいかねません。
◆土地価格の低下
空き家が放置されたり、問題のある空き家があることで、その土地や周辺の土地価格が低下する可能性があります。
◆行政からの指導
空き家の放置や上記の鳥被害にトラブル(糞害・衛生問題・騒音被害など)が原因となり、近隣住民からの苦情が行政に寄せられると、行政から改善指導を受ける可能性があります。
改善が見られないと最悪の場合、行政代執行で強制的に解体され、費用を請求されることもあります。
⑤まとめ
いかがだったでしょうか。
近年問題となっている空き家問題。
その中でも、この記事でご紹介した「特定空き家」に指定されてしまうと、その建物の所有者・管理者には多くのデメリットが発生します。
また所有者だけでなく、周辺住民の生活環境を損ねる可能性があります。
特に空き家では、鳥の特性上、鳥被害が発生しやすいです。
鳥被害の解決は、早期に正しい対策を行うことが重要です。
対策が甘かったり、対策方法を間違えると被害が拡大し、対策するのが難しくなります。
また鳥獣保護法で、鳥の巣の撤去など禁止されており、一般の方では対処が難しい問題です。
被害が発生した際は、一人で悩まず専門の業者に相談することをおすすめします。
被害が大きくなる前に、まずは早めに一度ご相談ください。
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※この記事で使用している画像はイメージです。実際の建物と記事の内容は一切関係ございません。