お知らせ
2024.04.22
【畜産と鳥害②】養鶏場(鶏舎)における鳥被害とその対策
養鶏業を営む畜産農家様によって、私たちは普段から新鮮な「鶏肉」や「卵」をいただくことができます。
養鶏とは、農業分野の畜産の一種であり、鶏(ニワトリ)を飼育することです。
その種類は2つに分類され、主に卵を生産するために採卵鶏を飼育する養鶏と、肉を生産するために食用鶏を飼育する養鶏に分類されます。
日本では、茨城県・鹿児島県・岡山県・広島県・栃木県・群馬県・静岡県・千葉県・愛知県・青森県が養鶏が盛んで、大小様々な養鶏農家様が養鶏業を営まれていらっしゃいます。
農林水産省の調査によると、日本で養鶏されている鶏の数は1億羽を超えている調査結果が出ています。
そんな養鶏農家様にとって、脅威となっているのが、『鳥インフルエンザ』です。
『鳥インフルエンザ』と聞くと、「鳥インフルエンザ感染確認による全羽殺処分」というニュースを、皆さんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
近年、鳥インフルエンザが猛威を奮い、養鶏場をはじめとする畜産農家が、甚大な被害を受けています。
その原因となっているのが、同じ鳥である野鳥たちがもつ病原体です。
今回の記事では、養鶏場(鶏舎)での鳥被害と対策についてまとめた内容になります。
【目次】
① 鳥インフルエンザとは
② 鳥インフルエンザの感染経路・原因
③ 鶏舎における鳥インフルエンザの予防と対策
④ まとめ
① 鳥インフルエンザとは
鳥インフルエンザは、A型インフルエンザウイルスが引き起こす鳥の病気です。
鳥に感染するA型インフルエンザウイルスをまとめて鳥インフルエンザウイルスといいます。
家畜伝染病予防法では、鳥インフルエンザを家きん(ニワトリ、七面鳥等)に対する病原性やウイルスの型によって、「高病原性鳥インフルエンザ」、「低病原性鳥インフルエンザ」などに区別しています。
家きんで高病原性鳥インフルエンザが発生すると、その多くが死んでしまいます。一方、家きんで低病原性鳥インフルエンザが発生すると、症状が出ない場合もあれば、咳や粗い呼吸などの軽い呼吸器症状が出たり産卵率が下がったりする場合もあります。
引用元:厚生労働省ホームページ https://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/tori/know.html
▼主な家きん
・鶏(チャボ、烏骨鶏、シャモ、オナガドリ、アローカナなど)
・あひる
・うずら
・きじ
・だちょう
・ほろほろ鳥
・七面鳥
② 鳥インフルエンザの感染経路・原因
・野鳥との接触
鶏舎では、鶏が過ごしやすい環境や餌・水があり、それを求めて、カラスやハト・スズメなどの様々な野鳥が侵入してくる可能性があります。
特にスズメは体が小さく2cmの隙間さえあれば、侵入ができると言われています。
鶏と野鳥が接触してしまうことで、鳥インフルエンザウイルスに感染する可能性が高まります。
また野鳥には、鳥インフルエンザウイルス以外にも様々な病原体を持っている可能性があり、鶏舎に侵入されることで、様々な病気のリスクが高まることになります。
・飲み水や餌
鳥インフルエンザに感染した野鳥の糞や体液などが、飲み水や餌を汚染して、鶏に感染する可能性があります。
直接、野鳥と接触していなくても、使用している水に何らかのかたちで、野鳥の糞や体液が入ってしまう危険性があります。
また鶏の糞をためている堆肥舎がある場合、カラスの餌場になる可能性がある為、注意が必要です。
・人や野生動物の立ち入りによる病原体の持ち込み
鳥インフルエンザウイルスは野鳥が持ち込むだけでなく、人や人以外のあらゆる物に付着して養鶏場に侵入し、感染を引き起こす可能性があります。
養鶏場ごとでは、職員以外の外来者の立ち入りを禁止・制限をしたり、専用の長靴や服の着用と消毒を徹底している養鶏場が多くあります。
また人や野鳥以外の野生動物が鶏舎に侵入してくる場合があります。
自然界では、どの様にして野生動物が接触したり、病原体に感染しているかはわからない為、野鳥でなくても注意が必要です。
③ 鶏舎における鳥インフルエンザの予防と対策
鳥インフルエンザの予防・対策には、「鶏舎には病原体を持ち込ませない」ことが重要です。
特に感染リスクの高い野鳥の侵入を防ぐことが、鶏舎にいる鶏の鳥インフルエンザ感染リスクを下げることに繋がります。
具体的には、20mm以下の目あいの防鳥のネットを隙間なく設置することです。
上記でもご案内した様に、カラスやハトなど様々野鳥がいますが、その中でも身体が小さいスズメは20mm以上の目あいのネットや隙間があると侵入されてしまう可能性があります。
たった1羽の侵入だとしても、その1羽が原因で何万羽の鶏が鳥インフルエンザやその他の病気に感染してしまう可能性がある為、防鳥ネットを設置する際は20mm以下の目あいの防鳥のネットをご使用ください。
また防鳥ネットを設置する際は、専門の業者に相談することをおすすめします。
一概に防鳥ネットの設置といっても、鶏舎の形状・面積・環境等を考慮して、適した防鳥ネットを設置しないと、せっかく防鳥ネットを設置したのに効果が出なくなってしまう可能性がある為です。
適したネットを使用したとしても、上記の様に鶏舎の壁面や天井と防鳥ネットの間に隙間が空いてしまった場合、野鳥の侵入を許してしまう可能性があります。
鶏舎の形状は養鶏場や飼育している羽数によって様々な為、普段からネットを貼り慣れている専門の業者に頼むことで、確実に野鳥の侵入を防ぐことができます。
その他、鶏舎だけでなく、飼料置き場や堆肥舎など、野鳥が寄り付く可能性がある場所にも防鳥ネットで対策をすることで、より高い対策効果を得ることができます。
④ まとめ
いかがだったでしょうか。
日本では、病気になってしまった鶏のお肉は食用として流通させてはいけないという法律があり、もちろん鳥インフルエンザにかかった鶏の肉を販売することもできません。
万が一、鳥インフルエンザの感染が確認された養鶏農家は感染拡大防止の為、出荷停止措置を受けることになります。
そして感染確認された農家で飼育されている鶏は、全て殺処分となってしまいます。
鳥インフルエンザが発生してしまった場合、飼育していた鶏は出荷できず、全て殺処分になってしまい、焼却・埋却や飼育場の消毒などの対応も必要になります。
鳥インフルエンザは世界中で発生報告がありますが、日本でもすでに鳥インフルエンザの発生が報告されています。
件数も年々増加傾向になっており、注意・対策が必要です。
鳥インフルエンザを発生させない為にも、野鳥などの防鳥対策は、専門の業者に早期で相談することがおすすめです。
とりさぽでも、畜産農家様からのご相談が増えており、対策のご提案だけでなく、対策の効果を高める為の情報収集や新たな対策資材のテストを行なっております。
また、畜舎以外にも、個人の住宅から法人の大規模施設まで豊富な対策実績があります。
お悩みの際は、お気軽にお問合せ・ご相談下さい。
とりさぽは、ご相談だけでも真摯に対応させていただきます。
鳥と人間がお互い気持ちよく暮らしていけるよう私たちの経験や知識が少しでも役に立てたらと思っています。
とりさぽでは、有害鳥獣捕獲申請の代行〜鳥の巣の撤去、再発防止対策まで全て一貫して行っております。
害鳥駆除のプロがお電話やチャット対応を行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
※とりさぽは有害鳥獣の駆除・対策の専門業者になります。
鳥インフルエンザの発生・疑いが見られた場合は速やかに自治体・保健所にご連絡下さい。
※この記事で掲載している写真はイメージです。(実際の施設と記事の内容は関係ございません)